家も人も自然体
本格檜の家に高断熱・高気密住宅仕様、
更に蓄熱式暖房器のオール電化住宅の快適な住まいに現代和風住宅の“粋”を見る。


 現在新築で建てられている住宅のほとんどが集成材や新建材を使っている家が多い中今回ご紹介する住まいは檜の無垢材を使用。その理由を施工したサトー建築事務所の佐藤社長に話を伺うと、高断熱・高気密の家になればなるほど気密性が増し、従来の科学塗料や科学薬品を使った家ではそこに住む人が病気になってしまうのではないか、という懸念からだったそうである。白アリが付かない檜を使うことによりその駆除も不必要になったり、塗料も自然塗料を使用するこだわりで、シックハウスなど無縁で、家の中の空気がとてもきれいで住む人の健康を考えた安心な住まいである。また、従来の家だと25年から30年しか持たなかったが、これからは50年から100年は平気で持つ家を造るべきと考え、強度があり耐久性にも勝れている檜の家にこだわるようになったとの事。

 
   
トイレ
玄関ホール
ホール
 
   
座敷
リビング
 

 玄関を上がると太い檜の梁が豪華さを演出。100年以上は充分持ちそうな檜が風格を感じさせてくれる。
 ホールの左側には二間続きの総檜造りの和室がある。柱は4寸5分を使用し檜の大鴨居や大黒柱、床の間の材料の槐などは昔の家の物を使用。ただ新しい材料を使うだけでなく、その家に伝わる伝統や格式など温かい優しさを感じ取ることができてとても嬉しい気持ちになる。
 次は家族が団欒するリビングダイニング。ここも無垢の檜の風格が重厚さだけではなく落ち着きのある空間を形成。なんとも居心地が良い。ここで驚きなのが無垢材を使ったフローリングがまるで床暖房をしているような温かさが気持ちがいい。佐藤社長に話を伺うと、蓄熱式暖房器が床下に設置されているため床暖房のように温かくなるのだと言う。暖房器は通常、床上に設置するものだがどうしても機械廻りしか暖まらないため、より温度差をなくすために床下に設置しているという。これも施工の技なのかも。
 一般的に総檜の家と言うと坪単価70万から80万、ちょっと良い材料を使うと100万以上は当たり前と思っていたが、意外と安いのには驚いた。ある意味一般的な本格杉の住宅と殆ど変わらない、と言っても大げさでないくらいだ。興味のある方は設計・施工等会社にご一報を。何でも詳しく答えてくれる会社なので聞くだけでも良い勉強になるかも。





DATA

有限会社 サトー建築事務所
酒田市東両羽町5-28
エ0234・21・6455
E-mail:skj.ap@plum.plala.or.jp
http://www17.plala.or.jp/skj-ap/