酒田市宮海にある「麺家ほり」。その外観はまるで札幌の時計台のようで、内装はログハウスを思わせる。カウンターはバーのように開けており、ご主人がラーメンを作っている様子を間近で見ることができる。厨房からは食欲をそそる香りが店内に広がり、これから食べるラーメンへの期待を膨らませてくれる。「ほり」で出されるラーメンは自然のだしにこだわった後味重視のやさしい味付けになっている。また、レンゲ用の皿をつけてくれる心遣いも嬉しい。
スープには特にこだわり、醤油ダレは「日本そば」を参考に、寝かす等している。その味わいは品の良い和風テイストとなっている。 だしは豚足と丸鶏の動物系と、地元の新鮮な野菜を使用。旨みだけでなく、ゼラチン質も溶けだし、スープをまろやかにしてくれる。さらにこだわりの飛島産のトビウオ、鰹節等の魚介系スープを加えたダブルスープとなる。また、水は「鳥海山伏流水」を使用。これらの素材が絶妙にまとまった「だし」は見事な琥珀色をしている。 熟成した「醤油ダレ」と旨味満点の「だし」が一体となったスープは混濁とし、濃厚な印象だが、味わってみると、口当たりが良く、魚介の旨みが口いっぱいに広がる。まさに心癒される味だ。
ラーメン 600円 |
チャーシューメン 750円 |
ワンタンメン 750円 |
ざる中華 700円 |
後味の「キレ」を重視している「ほり」のラーメンは、各素材の味を非常に良くまとめあげている。麺はのどごしの良い特注細麺。鍋のお湯は差し水をし続けることで、一定の温度を保ち、安定したゆで上がりを維持している。味が染み込んだチャーシューは、ラーメンの具の中で特に存在感があり、その舌触りはとろけるように柔らかく、優しくほぐれていく。味つけは濃い目だが、あっさりとしたスープとの相性は極めて良い。メンマは和風の「煮物仕立て」で、胡椒のスパイシーな感じが特徴的。味にアクセントを与えてくれている。
夏季限定の『ざる中華』には、トッピングにご主人自ら採ってきた、最上産の粘りのある「わらび」を選ぶことができる。こちらも味わってみてはいかがだろう。
昔からラーメン好きだったご主人は、惚れ込んだ吹浦の「北海」のようなラーメンを作りたいと思い、自宅で研究を重ねたという。そんな思いから一昨年お店をオープンさせた。また、仕込みを開店前の朝6時には始めている。その情熱からもラーメンへの深いこだわりが感じられる。
DATA 麺家 ほり |