レストラン欅 　●酒田市

　レストラン欅は、1967年に開店。洋食界の草分け的存在だった父親の食育を受けながらフレンチの道に入ったという太田シェフ。その料理へのこだわりは徹底的で、予約後、お客の性別、年齢、どこから来たかを把握し、早朝自ら市場に仕入れに行くのだと言う。Bloomで紹介したコースは、「シェフのおまかせメニュー」ほとんどがその日に揚がった素材で料理を組み立てるため、メニューが毎日変わるという。この日も地の魚介をふんだんに使用した彩りのよいメニューが美しくテーブルに並んだ。キレイな料理はどれも主張があって同じ味は一つもない。中でも「鮑のグラタンとほうぼうのポワレ」は食感の良い鮑と濃厚なグラタンが絡まった贅沢な味。

　「和牛ホホ肉の赤ワイン煮」もフォークを入れるとくずれてしまう程、よく煮込まれたホホ肉に赤ワインのとろけるような上品なソースが絶品だ。太田シェフは、どうすれば素材が美味しく仕上がるのか365日考えて作ることを心がけているそうだ。また、生産者と料理人とがもっと近づき、地域の食の素晴らしさをほこりを持って人に話せるようにしたいと言う。庄内から広がる食文化と、これからも躍進し続けるフランス料理「欅」に一度訪れてその感動を味わってみてはいかがだろうか。